ローカライズ
LABメインページに戻る
ビデオゲームのローカライズ戦略を練るための5つのステップ
"十分に練った戦略もなく、ローカライズプロジェクトに着手するのは無謀かつ危険です。質の悪いローカライズはプレイヤーの反感を買うだけでなく、組織の評価にすら傷をつけるからです。するとプレイヤーは次からゲームを買わなくなります。つまり、低品質なローカライズは将来的な収益を失い、場合によって拭い去れない悪評が立つ原因となるのです。
それゆえローカライズ戦略は重要なのです。正しい戦略があれば、目標とその達成はより容易くなります。
ここからは、ビデオゲームのローカライズ戦略を練るための5つのステップをご紹介していきます。
まずは簡単そうに見えて実は難解な質問から始めましょう。「ローカライズとはなにか?」
簡単にいえば、ビデオゲームのローカライズとは、ゲームのコンテンツをある言語から別の言語に変換することです。
ですが実際は人によって捉え方が違います。ある人はゲームのテキストをある言語から別の言語へ翻訳することと捉え、またある人は文章作成、ボイス収録、ビジュアルの変更等を含むプロセスと捉え、開発チームやパブリッシャーは大抵のローカライズは以下の複数のステップを含むプロセスと捉えます。
ゲームに最も適しているサービスはどれか、それと同時にサービスの内容を明確にしておく必要があります。これらの決定次第でプロジェクトのスピードや品質は変動するからです。
ローカライズ戦略はより多くの人々にゲームを届ける、言い換えればより多くの収益を得ようとする際、極めて重要な役割を果たします。英語から簡体字中国語にローカライズしたとしましょう。するとプレイヤー数 6億1950万の市場を開拓できます。
そんな絶好の機会が得られる地域がどこかを理解すれば、ターゲット言語は定めやすくなります。ではここで、いくつかの言語を例に、それらの規模、コスト、範囲をざっくり見ていきましょう:
完璧な市場を見つけることはプレイヤーの多い地域を選ぶことほど簡単ではありません。他の事も考慮する必要があります。特定地域でリリースされた類似のゲームから得られた既存のデータを参照すれば、どのジャンル、どの形式が特定の国で人気を得られるかがわかります。以下は規模以外の注目すべき市場の要素です:
外注する場合、事前に何が起こるか知っておくことが重要です。プロジェクトの進み方は協力する相手がフリーランスか社内チームかによって大きく変わります。
一般的にフリーランスは価格が安い傾向にありますが、翻訳の品質を確認する言語品質保証は行わない等、十分なサービスは提供されません。
また、大手プロバイダ(例えばPTWのゲームローカライズサービス等)であれば、単一の窓口で幅広い翻訳・ローカライズ品質保証チームと連携し、あらゆる言語に対応することが可能です。これによりプロジェクト管理の負担は劇的に軽減されます。複数の独立したフリーランスと協力する場合、こうはいきません。
ローカライズについてはなるべく早い段階で検討した方が良いでしょう。例えば、開発に着手する前の時点でターゲット言語がわかっている場合、開発チームは名詞の性、特殊文字、ノーブレークスペース等の言語特有の変化を計算に入れることができるため、その後起こり得る問題を未然に防ぐことができます。
ゲームローカライズの成功は2つのものさし、つまりユーザーフィードバックと投資利益率ではかることができます。
ユーザーフィードバックの例としては、レビューが挙げられます。翻訳されたゲームに対するプレイヤーの評価の知る役に立つものです。例えば、ゲームがターゲット言語の国であまり良い評価を得られなかった場合、そのローカライズの品質は確認する必要があるでしょう。
これと同様に、特定地域における財政的な成功(売上や投資利益率等の数字)は、ローカライズの価値を示す重要な指標となります。
ローカライズの結果を理解すれば、それが価値ある投資だったか知ることができます。また、今後プロジェクトを行う際の指針となります。
以上5つのステップを踏まえることにより、ローカライズの成功につながる強固な戦略を立てることが可能です。
ですが、これらのステップは氷山の一角に過ぎません。本格的なローカライズプロジェクトに着手する前に、チームや外注パートナーにいくつか大事な質問をしなくてはなりません。ゆえに我々は「ゲームをローカライズする前に聞いておくべ き質問」を作成しました。このeBookでは基本事項から戦略的配慮に至るまで、あらゆる質問にお答えしています。