音声制作
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デルファイサウンド:日本のアニメの音声制作
日本のアニメは、非常に創造的で視覚的に特徴的なメディアとして、そのユニークなスタイルと性質から世界中で人気があり、その魅力が広く認知され、日本文化を代表する存在となっています。
Statistaによると、日本国内外のアニメ産業の総売上高は、2019年に約175億米ドルを記録し、その後、パンデミックの影響で2020年には約170億米ドルとやや減少しています。海外売上は近年大きく伸びており、2020年に初めて国内売上を上回りました。
日本はアニメ産業が発達しており、人材も豊富なため、アニメ作品の制作手順も高度に専門化・標準化されています。アニメのキャラクターを生き生きと表現するために、音声は重要な役割を担っているのです。
日本のアニメ産業を支え続けるデルファイサウンドがPTWグループの一員となって1年が経ちました。デルファイサウンドは2005年4月1日に設立され、レコーディングスタジオの運営やサウンドプロデュース、音楽原盤の制作などを手掛けています。
PTWグループ加盟1周年を記念して、アニメのレコーディングやスタジオ、そして今後について、デルファイサウンドの内村さんにインタビューを行いました。
デルファイサウンドの内村と申します。音響制作を担当しております。
デルファイサウンド全体の仕事内容は、アニメ・ドラマCD・ゲーム等の音響制作、劇伴やSEのサウンド制作、俳優・アーティストのマネージメント業務になります。
アニメは、メーカーやアニメ制作スタジオのプロデューサーから、依頼をいただきます。
多くの場合、アニメタイトルの制作を管理するために「製作委員会」が設置され、委員会は主幹事となるメーカーや音楽メーカー、制作スタジオで構成されています。
つまり、仕事の依頼は収録スタジオ/音声チームの選択権を誰が持っているかによって決まり、それまでの委員会とプロデューサーの関係が影響してきます。
CDやゲームの場合は、ゲームメーカーのプロデューサーからの依頼がほとんどです。
オーディションが動いているものを含めて10作品以上です。
1作品あたりだいたい3名のスタッフが関わります。その3名は、録音調整・録音助手・音響制作になります。※厳密にはいろいろと手伝ってくれているスタッフを含め4~5名です。
録音調整は、アフレコやプレスコ時の録音、ダビング時のセリフ・BGM・SEの音のバランスを調整します。録音助手は、録音調整と同様にノイズチェックを行いつつ収録をし、その後のセリフの編集作業を行います。音響制作は、端的に言うとスタッフとキャストのスケジュール調整や台本の発注等々の作業になります。
「広さ」でしょうか。音楽スタジオには負けますが、手順が若干異なるため、アニメのレコーディングスタジオはゲームオーディオのスタジオと比べて大きなものになります。
ゲームオーディオのスタジオでは通常、1回で1人の声優の収録をしますが、アニメでは複数の声優を同時に収録するため、より大きなスペースが必要になります。
また、アニメの収録スタジオでは、通常、大きなスクリーンを用意し、声優の演技をアニメ本編に合わせられるようになっています。
ほかは特に違いはないと思います。
日本の声優という仕事は、いろいろな意味でユニークなものです。
アニメの場合、メインキャラクターはオーディションで決めサブキャラやモブキャラは、音響監督と相談します。
お任せしてくださる場合は、私の方でキャラクターに合いそうで、且つスケジュールの合う候補キャストを探して監督・音響監督に相談することもあります。
ドラマCDやゲームの場合は基本的にメーカー側からの希望に合わせます。
個人の見解ですが、演技力、活舌、営業力や自己アピール力だと思います。
特に印象に残っているのは、某アーティストさんの案件で半日ぐらいで100人弱の収録を行ったプロジェクトです。原作を読んでからキャストの選定まで2週間程度しかなく、貴重な体験をさせていただきました。
今繋がっているクライアントとも長くお仕事を続けていけたら嬉しいですし、これまでと同様にそこから繋がる新たなクライアント、また違った繋がりの可能性のあるクライアントとの出会いや作品を楽しみにしています。
あとは、若いエンジニア(録音助手)たちやほかの音響制作スタッフの成長も楽しみにしています。
PTWグループのメンバーとなって早々にいろいろとご一緒できる機会があり大変有難いです。
少し前にPalabraの方々とお話する機会があり、お仕事されている内容が素晴らしくご一緒できることがあればと思っております。(PalabraはPTWグループのチームで、映像コンテンツにおけるアクセシビリティオプション、特に視覚・聴覚障害者のための音声ガイドや字幕を制作しています)PTWはグループ会社の数が多く、実はこういうことができたら、という方々がいらっしゃるかもしれないので、グループ間で何か作れるものがあれば是非と思っております。
PTWはSIDEとエンタライズという2つの優秀な音声チームを有し、『Cyberpunk 2077』、『ウィッチャー3 ワイルドハント』、『アサシン クリード』シリーズなどのエキサイティングなタイトルで最高の音声パフォーマンスを提供してきました。デルファイサウンドが加わることにより、その素晴らしい仕事をアニメ業界にも展開できます。デルファイサウンドが関わる今後のアニメ作品にご期待ください。